脱毛サロンは今でも儲かる?市場データで読み解く「縮むレディース」と「伸びるメンズ」

この記事の結論
脱毛市場は全体では横ばいから縮小ですが、内訳ははっきり二極化しています。レディース脱毛は2020年の1,133億円から2024年の789億円へ約3割縮小し、メンズ脱毛は348億円から635億円へ約1.8倍に伸びています。個人サロンの打ち手は二つです。伸びているメンズに今のうちに対応するか、レディースに残るなら大手や医療脱毛にはできない特化を明確にするか。どちらも「なんとなく脱毛を提供する」状態から抜けることが前提です。
「脱毛サロンって、今から始めても儲かるの?」という質問をよく受けます。答えは一言では言えません。脱毛市場は今、縮んでいる市場と伸びている市場が同時にある状態だからです。
この記事では、公開されている調査データをもとに、脱毛市場の内訳を整理します。
脱毛ビジネスそのものの収益構造は強い
市場の話の前に、脱毛というビジネスの特徴を確認しておきます。
光脱毛は、マッサージやフェイシャルと比べて1回の施術にかかる消耗品が少ないメニューです。売上に対して材料費が小さく、手元に残る割合が大きい。さらに個人サロンなら、家賃と人件費という二大固定費を小さく抑えられます。
ただし、この強い構造も「どの市場で戦うか」によって結果が大きく変わります。ここからが本題です。
市場全体は縮小傾向
リクルート「美容センサス2024年上期〈エステサロン【脱毛】編〉」によると、2024年の脱毛市場(消費者ベース)は1,423億円で、前年比2.9%減でした。
矢野経済研究所の調査でも、エステティックサロン市場全体は縮小傾向が続いています。数字だけ見ると「市場が縮んでいる」と感じますが、男女別に分けると動きはまったく違います。
レディース脱毛:約3割の縮小
| 年 | レディース脱毛の市場規模 |
|---|---|
| 2020年 | 1,133億円 |
| 2024年 | 789億円 |
4年で約3割の縮小です。エステティックジャーナルの報道では、エステ脱毛サロン市場は2025年に1,121億円(前年比21.3%減)と伝えられています。
背景には次のような動きがあります。
- 大手チェーンの破綻が相次いでいる:帝国データバンク・東京商工リサーチの調査で、2024年度の脱毛サロンの倒産は過去最多を更新しています。
- 医療脱毛クリニックの低価格化:「全身脱毛○万円〜」という価格帯に医療脱毛が参入し、エステ脱毛のお客様を取り込んでいます。
- 従来型モデルの限界:広告費で新規を集め、高単価の回数券を一括で売るやり方が成り立ちにくくなっています。
この中で個人サロンが「なんとなくレディース脱毛を提供する」のは、縮むパイを多くの競合と取り合うことを意味します。
メンズ脱毛:4年で約1.8倍
| 年 | メンズ脱毛の市場規模 |
|---|---|
| 2020年 | 348億円 |
| 2024年 | 635億円(前年比8.8%増) |
一方、メンズ脱毛は伸び続けています。2025年のデータでは、脱毛サロンの1年以内の利用率で男性が女性を初めて上回ったという結果も出ています(男性5.6%、女性5.2%)。
施術部位も広がっています。2024年の調査では男性の施術部位1位が「ひげ」(30.5%)、2位が「Vライン」(29.3%、前年比3.0ポイント増)でした。ひげから始まり、VIOや全身へ広がる流れは、客単価と来店回数の両方を押し上げます。
メンズが個人サロンにとって好機である理由
- 需要の伸びに受け皿が追いついていない:メンズに積極対応するサロンはまだ少なく、地域で先に始めたサロンが選ばれやすい状態です。
- 大手の対応が遅れている:女性向けに設計された店舗・スタッフ体制を切り替えるには時間がかかります。
- 価格競争に巻き込まれにくい:比較対象が少ない地域では「やってくれるかどうか」が先に問われます。
- リピートが生まれやすい:ひげは毛の再生が早く、複数回の来店が前提になります。
- 紹介が起きやすい:職場や友人など、同じ悩みを持つ男性同士で情報が広がりやすい傾向があります。
メンズ脱毛の収益モデルはメンズ脱毛は個人サロンでも儲かる?で詳しく整理しています。
レディースに残るなら「特化」しかない
メンズへの転換が難しい場合でも、レディース市場で選ばれる道はあります。前提は「大手と同じことをしない」ことです。
- 対象を絞る:産後ケアを兼ねたVIO、敏感肌専門、ブライダル前の集中ケアなど。
- 体験の質で選ばれる:完全予約制、担当者固定、丁寧なカウンセリング。リクルートの調査では、40代女性の1回あたり利用金額が前年比24.1%増の8,305円に上がっています。安さより質を求める層は確実にいます。
何に特化するかは、サロンとオーナーの強みから決めます。考え方はパーソナルメニュー化のページにまとめています。
まとめ
- 市場全体は縮小傾向。ただし内訳は二極化している
- レディースは4年で約3割縮小、メンズは約1.8倍に成長
- 個人サロンの打ち手は「メンズに今対応する」か「レディースで特化する」か
自店の地域でメンズ対応サロンがどれだけあるかは、Googleマップで調べるだけでも見えてきます。Googleマップでの見え方を確認したい方はMEO無料診断もご利用ください。
データ出典:リクルート「美容センサス2024年上期〈エステサロン【脱毛】編〉」(2024年6月25日公表)/矢野経済研究所「エステティックサロン市場に関する調査(2025年)」/帝国データバンク「脱毛サロン・クリニック(脱毛業界)動向調査(2024年度)」/東京商工リサーチ「2024年度 脱毛サロン倒産状況」/エステティックジャーナル「脱毛サロン市場が前年から2割減の1121億円」

