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開業・経営

自宅サロンとテナントサロン、どちらが本当に儲かるか|開業費・月次収支・損益分岐点で比較

(公開 )

執筆:原田 雅文(株式会社ピウズ 代表取締役)

この記事の結論

どちらが正解かではなく、今の段階と目標にどちらが合うかで選びます。自宅サロンは開業費と固定費が小さく、損益分岐点が低いため、売上のうち手元に残る割合が大きく、黒字化も早い形です。テナントサロンは家賃と人件費が重い分、集客の幅が広く、スタッフを入れて売上の天井を上げられます。リスクを抑えるなら、まず自宅で集客とリピートの仕組みをつくり、余力ができてからテナントへ移る段階的な進め方が現実的です。費用はいずれも目安なので、実際の見積もりで試算します。

「開業するなら、自宅サロンとテナント、どちらがいいですか?」

答えは「どちらが正解か」ではなく、**「今の段階と目標に、どちらが合っているか」**です。どちらにも強みがあり、見過ごせないコストがあります。

この記事では、開業費・固定費・損益分岐点・収支モデルを並べて比較します。数字はいずれも一般的な目安です。

開業形態が収益の骨格を決める

サロンの利益は、サービスの質だけでは決まりません。毎月必ずかかる固定費の大きさが損益の骨格をつくります。

固定費が低ければ、少ない売上でも利益が出ます。固定費が高ければ、それだけ多くのお客様に来てもらわないと赤字になります。開業形態の選択は、「毎月の損益分岐点をどこに置くか」という経営判断です。

開業費の目安

開業形態 初期費用の目安 向いている人
自宅サロン 50〜200万円 小さく始めたい
マンション型(賃貸1室) 200〜500万円 自宅と仕事を分けたい
テナント型(路面・商業ビル) 800〜1,500万円 本格的に規模を狙う
シェアサロン 10〜50万円 まず副業で試したい

開業形態によって、必要な初期投資は10倍以上違います。

自宅サロンの収支

月の固定費の目安

費目 月額の目安
水道光熱費(サロン分) 1〜3万円
広告費(SNS・Googleマップ中心) 3〜8万円
消耗品・備品補充 1〜3万円
保険・通信・雑費 1〜2万円
合計 6〜16万円

損益分岐点

損益分岐点は次の式で求めます。

損益分岐点 = 固定費 ÷ 限界利益率

材料費が売上の1割程度とすると、限界利益率は約9割です。固定費が月10万円なら、10万円 ÷ 0.9 で月商約11万円。月に10件前後の施術で届く水準です。

月商30万円の例

項目 金額
月商 30万円
材料費・光熱費 ▲3万円
広告費 ▲5万円
雑費 ▲2万円
手残り(税引前) 約20万円

自宅サロンの注意点

  • 住所を公開しにくい:Googleマップやホットペッパーでの集客を最大限には使いにくい場合があります。
  • 初回のハードル:個人の自宅に行くことに抵抗を感じるお客様もいます。清潔感やプライベート感を写真やSNSで丁寧に伝える必要があります。
  • スペースの制約:同時に複数名を受けたり、メニューを広げたりするには限界があります。

テナントサロンの収支

月の固定費の目安

費目 月額の目安
家賃・共益費 20〜50万円
人件費(オーナー含む) 35〜60万円
広告費(ホットペッパー等含む) 15〜30万円
水道光熱費 3〜8万円
消耗品・雑費 3〜5万円
合計 76〜153万円

固定費が月80万円なら、80万円 ÷ 0.9 で月商約89万円が損益分岐点です。客単価15,000円なら、月60件ほどの施術が毎月必要になります。

開業直後の数か月は、多くのサロンがこの水準に届きません。赤字の期間を乗り越える運転資金の確保が欠かせません。

テナントサロンの強み

  • 集客の手段が広い:Googleマップへの完全掲載、ホットペッパー、店頭の看板やチラシなど、使える手段が多くなります。
  • 初回の安心感:専用の店舗があるだけで、初めてのお客様のハードルは下がります。
  • 規模を広げられる:スタッフを採用して売上の天井を上げられます。

比較表

項目 自宅サロン テナントサロン
開業費の目安 50〜200万円 400〜1,500万円
月の固定費の目安 6〜16万円 76〜150万円
損益分岐点の目安 月商10〜18万円 月商80〜170万円
売上のうち手元に残る割合 大きい 小さめ
利益の金額(規模拡大後) 小さめ 大きい
集客手段の広さ 限定的 広い
投資回収の速さ 速い 遅い
リスク 小さい 大きい

判断の基準

手元の自己資金はいくらか 資金が少ないなら、自宅サロンかシェアサロンから始めることを検討します。

毎月の損益分岐点をどこまで許容できるか 毎月80〜100万円の売上を確実に出せる見込みがなければ、損益分岐点の低い自宅サロンで集客力を育ててから移るほうが現実的です。

何年でどこまで売上を伸ばしたいか 数年以内に大きな売上規模を目指すなら、早い段階でテナントへの移転を計画に入れます。

集客をどう獲得するか Googleマップ、ホットペッパー、看板を使いたいならテナントが動きやすい。SNSとGoogleマップを軸に少人数の固定客を育てるなら、自宅サロンでも十分に実現できます。Googleマップでの見え方はMEO無料診断で確認できます。

まとめ

  • 自宅サロンは黒字化が早く、手元に残る割合が大きい
  • テナントサロンは規模を広げる道が開ける
  • 最初の1〜2年で集客とリピートの仕組みをつくり、余力ができてから次の段階へ進むのが、個人オーナーにとって最もリスクの低い進め方です

どちらで始めるにしても、集客からリピートまでの流れを先に設計しておくことが大切です。考え方はプロモーション・プラン化のページにまとめています。個人サロンならではの強みは個人経営の脱毛サロンが儲かる5つの理由もあわせてご覧ください。

よくある質問

よくある質問

Q自宅サロンとテナント、結局どちらがおすすめですか?
A

手元に残る割合と始めやすさなら自宅、売上規模を大きくしたいならテナントが向いています。資金・目標・集客の方法で判断します。

Q損益分岐点はどう計算しますか?
A

固定費 ÷ 限界利益率で求めます。材料費が売上の1割程度なら限界利益率は約9割なので、固定費10万円なら月商約11万円、80万円なら約89万円が目安です。

Q自宅サロンの弱点は何ですか?
A

住所を公開しにくくGoogleマップでの集客を活かしにくいこと、初めてのお客様に心理的なハードルがあること、スペースの制約で規模を広げにくいことです。

Qテナントで開業する場合に一番注意すべき点は?
A

開業直後の赤字期間を乗り越える運転資金です。集客が軌道に乗るまで、固定費を数か月まかなえる資金を用意しておく必要があります。

Q自宅サロンからテナントへ移るタイミングは?
A

予約が埋まって受けきれない状態が続き、リピーターが安定してきたら検討の時期です。移転後の固定費を、今の売上でまかなえるかを先に試算します。

Q記事の費用はどこまで当てはまりますか?
A

あくまで一般的な目安です。地域、物件、機器を購入するかレンタルするかで大きく変わるので、実際の見積もりで試算してください。

Q集客はどちらが有利ですか?
A

看板やGoogleマップへの完全掲載、ホットペッパーへの掲載など、使える手段はテナントのほうが多くなります。自宅サロンはSNSや紹介を中心に、少人数の固定客を育てる戦い方が向いています。

この記事を書いた人

原田 雅文

株式会社ピウズ 代表取締役/ピウズPROショップ

脱毛サロン専門の集客・機器導入コンサルタント。サロン支援25年目、3,000店舗以上のサロンをサポートしてきました。

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